
トム・クランシーが作り上げたあの世界的に有名なCIA分析官ジャック・ライアンをタイトルと主役に据えた、Amazon Originalのドラマ。シーズン1は全8話というコンパクトな仕上がりなので、とりあえず観てみました。
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ジャック・ライアンとは何者なのか
ジャック・ライアンといえば、トム・クランシーの作り上げた世界的に有名なキャラクター。その知性と行動力とキャラクターが愛され、様々な小説や映画の主役を飾ってきました。私も、ショーン・コネリーにハリソン・フォード、ベン・アフレックやクリス・パインが彼を演じた映画を観てきましたよ。
そんな彼がとうとう海外ドラマ界に進出Amazon Originalのドラマシリーズに登場です。
そんな著名なキャラクターを演じるのは、ジョン・クラシンスキー。
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正直なところ彼自身にはさほど興味がなく、彼個人の作品は観たことがないのですが、私の大大好きなエミリー・ブラントの旦那様なので、ちょっと期待してしまいます。
分析官なのに現場が似合うキャラは相変わらずだけど
ストーリー展開としては、CIA分析官を主役に据えるわけですから、つまり、テロが主題ですね。CIA、そしてテロとくれば頭に浮かぶ海外ドラマは、そう、HOMELAND。

HOMELANDが1シーズン12話であるのに対し、こちらは全8話。3分の2の話数でどれだけ伏線張り巡らせて回収できるのか、登場人物やテロの背景を深掘りできるのか、少々不安です。
結論から言うと、世界一現場の似合うCIA分析官に違わぬ活躍っぷり。海兵隊を退役後、証券会社を経てCIAに入った頃のお話。信念を貫き通す若く優秀な分析官像はうまく描けていましたが、うーん、なんか全体的に短かったせいか、軽いというかお手軽感が漂うというか、なんというか。勇敢で誠実な主人公の人柄は伝わってきましたが、テロという重くて暗いテーマを描ききれてない感がありました。
対テロの戦いを描くには展開が薄っぺらすぎた
というか私のCIA&テロのドラマのベースラインがHOMELANDですから、それと比べたら話数も伏線も、そして演者の凄みも全く段違い。クレア・デインズのあの鬼気迫る感じを期待してたんだけど、主人公演じるジョン・クラシンスキーのビジュアルがアメリカのユーモアのあるナイスガイタイプなので、こう重みが出ないというか。
テロの首謀者として登場したスレイマンが、兄弟で難民となってからフランスにたどり着き、大学まで出た優秀な青年であったにもかかわらず過激な思想を体現するに至る道程とか、その妻が彼のもとから逃げ出してしまうほどの狂気とか、そういう背景が描かれないので、とても薄っぺらく感じてしまいます。
途中で差し込まれたドローンパイロットのエピソードも特に生かされることもなくシーズンエンドに至ってしまいますし、最終テロ計画も長きにわたる計画立案の末に割にはあっさりライアンに看破され。なんだかんだで仕掛けはまったく作動せず失敗って、シークレットサービスが電波妨害するなんて普通は事前に関知して対策講じるでしょうに。
最後の直接対決も、肩撃たれたなんて気づかなかったし、案外サクッと仕留めちゃうしな。クライマックスにあたる首謀者である兄との対決より、共犯である弟の追跡劇のほうが手に汗握ったってありえないでしょう。
愛すべきジャック・ライアン大活躍ってところに文句はありませんが、正直もう少し厚みのあるストーリー展開が欲しかった。やはり全8話は短すぎますね。
とはいえ著名なキャラクターの今後の活躍に期待したい
とはいえ、HOMELANDで描かれる目をそらしたくなるような残虐なシーンや展開もなく、観やすいドラマではあると思います。
そして何より、世界的に著名で長年愛されてきたキャラクターが主役なわけですから、今回の事件を経て一つポジションを登った彼の、さらなる活躍に期待したい。すでに名声を獲得し押しも押されぬ大御所然としているHOMELANDとは違う魅力で勝負するチャンスが、このキャラクターにはあるのではないかと思います。
が、私としては今シーズンは少々期待ハズレ。次シーズンの展開に期待したいところです。
このドラマに似ている!ココがおすすめ!
このドラマのココがオススメ!
CIAもの、そして対テロものでありながらも、話数もコンパクトだし、(これでも)いい意味で重すぎない展開。このカテゴリー初心者のかたには、取っ掛かりになる作品ではないかしら。
このドラマとちょっと似ているおすすめドラマ!
- HOMELAND:CIAもの、そして対テロ諜報ものの、海外ドラマ界における現時点で最高峰のドラマ。張り巡らされた伏線と想像もしなかった展開、そしてその謎を追う捜査官の狂気と紙一重の執念が、画面から圧を感じるほどの重厚感で描かれます。JACK RYANに物足りなさを感じた貴方はこれを観るしかない!

- CHUCK:主人公のビジュアルと、CIAってところが唯一の共通項。それ以外は全く異なる、スパイ・コメディ。重苦しいのは超絶苦手だけどスパイってかっこいいのね、って思うあたなには、こちらのドタバタコメディを楽しんでいただきたい。