海外ドラマ

[継続]Major Crimes S5:酸いも甘いも噛み分けた、まさしく大人の刑事ドラマ。

海外ドラマ好きのNOJOMINが絶賛視聴中のドラマについて、ご紹介します。

この記事を読んでくださった方にもぜひ興味を持っていただき、あわよくば観てほしい!という思いを込めて記事を書いています。

なるべくネタバレしないように気をつけて紹介していますが、「観るまでストーリーは一切知りたくない」方はご覧になりませんようお願いします。

実はスピンオフドラマなんです

ロサンゼルス市警重大犯罪課を舞台とした刑事ドラマ。

主人公や脇役の年齢が比較的高く、その点が他の刑事ドラマと大きく違うポイント。若手刑事の若く青い感じよりは、ベテラン刑事の円熟味を感じられるドラマで、私の大好きなドラマです。

前作はシーズン7まで続いたあのドラマ

実はこのMajor Crimes、The Closerという刑事ドラマのスピンオフなんです。

前作はS7まで続いた作品で、その舞台や脇役はほぼそのままに、主役のみ変わって続いたスピンオフという異色のドラマ。

私は前作のThe Closerからの大ファンで、ずっと観続けています。なので、できればThe Closerから観るのがすごくおすすめ。

前作の嫌われ者が本作の主人公

そして何より面白いのが、前作である意味嫌われ者的な立場の登場人物が主人公となるところ。

そして、事件への取り組み方も前作と大きく異るところ。

この大転換に劇中の登場人物はもちろん視聴者である私も混乱し反発も感じましたが、それでも徐々に引き込まれていって、いまはMajor Crimesの大ファンです。

The CloserからMajor Crimesへ

前作はThe Closerの名のとおり、事件捜査を終わりに導く自白のプロの女性警視長が主人公の刑事ドラマ。CIA仕込の尋問技術で容疑者を巧みに誘導し、自白に導きます

しかし、事件解決のためにはある意味手段を選ばず、職権濫用や規律違反も厭わない側面もあり、そこに目を光らせている内務調査員の女性警視が、スピンオフの主役となるのです。

両作品の主役はどちらも女性の警察官。警視長と警視という、市警の中でもかなりの上級の役職についています。

しかしこの二人、キャラクターや事件への取り組み方は、大きく異なっています。

CIAからスカウトされたブレンダ

ブレンダは、CIA仕込の尋問技術で容疑者を巧みに誘導し、自白に導く尋問のプロ。クローザーの名のとおり、事件捜査を終わりに導きます。

犯罪と犯罪者を憎み、犯罪者に自分の罪を認めさせる=自白させる、ことを何より重視して事件解決に取り組んでいます。

ちなみに、CIAから引き抜かれて市警で働くことになりました。正義感に溢れる人物ではありますが、感情的かつヒステリックな側面もあり。
事件解決のためにはある意味手段を選ばず、職権濫用や規律違反も厭わない側面もあり、内務捜査員であるシャロンには目をつけられています。

また、性格はわがままで甘いものには目がありません。仕事一筋で家族と疎遠な一面もあります。

市警叩きあげのシャロン

それに対してシャロンは、市警の叩き上げの警官の模様。内務調査官も務めるとおり、ルールに厳しく規律を重んじるタイプ。

真面目で堅物、とにかく冷静沈着。私生活では2人の子供がおり、すでに自立しています。

同じ女性警察官なれど、仕事への取り組み方もプライベートも対象的な二人。そんな全く異なる上司の元で捜査をするんですもの、重大犯罪課のメンバーもシャロンの就任には大きく戸惑うはずですよ。

自白優先主義から司法取引優先主義へ

とことん自白にこだわるブレンダ

前作では、とにかくブレンダが容疑者から自白を引き出すところがドラマのクライマックス。巧みな尋問で容疑者を誘導し、自白に導き、自らの罪を犯罪者の目の前に突きつけるのです。

両作品によく登場するアンドレア検事は、The Closerではモニターで取り調べを観る側に回ることが多く、ブレンダが引き出した自白がどれくらい裁判で使えるのかを判断しています。

つまり、捜査としては自白で終了ですが、これから裁判が待っています。

司法取引での決着にこだわるシャロン

それに対してMajor Crimesでは、アンドレア検事は、シャロンのオフィスで容疑者およびその弁護士に対し、シャロンやその他刑事たちとともに同席して話し合いをする場面が多くなります。

そして、容疑者に司法取引を持ち出し、減刑や免責の代わりに真犯人の逮捕・起訴に重要な情報を引き出したり、検察が法廷で請求するよりも軽い罪状で罪を認めさせて、事件を終了に導きます。

この場合、犯人は罪を認めるわけですから、裁判もなし。取引で受け入れた罪状に基づき、服役となります。

さて、どちらが正義なのか

正直なところ、The Closerでブレンダが真犯人から自白を引きずり出し、その殺意を認めさせる場面を多く見ていた私には、シャロンの司法取引を多用するスタイルには疑問と不満がありました。

だって、どう考えても計画的な殺人で、仮釈放なし終身刑の第一級殺人で起訴すべき犯人に対し、仮釈放ありの終身刑で取引して終了するんですよ。ありえない。ます。市警の財政はかなり厳しいようです。

ブレンダのやり方は、かなり強引でルール違反ではないか、という場面も多々あります。許される範囲ギリギリの誘導カマかけで自白。それを調書にしてサインさせ、有罪に持ち込むタイプ。だけど果たして自白だけで後半は維持できるのでしょうか。

実際に市警では裁判費用がかなりかさんで財政が厳しい、というセリフもよく登場しています。

また、現実世界でも、証拠の物理的な実証能力は一切損なわれていないのに、証拠保全の書類手続きの些細なミスでその証拠が使えなくなったために罪を立証できず、有罪判決が覆ることもしばしばあるようです。

犯人が無実を訴えた場合、被害者家族は、結審までは犯人が誰か明確に決まらないまま過ごさなくてはならないし。そして何より陪審員裁判制であるアメリカでは、いい意味でも悪い意味でも、その陪審員の心象により判決が決まってしまうというリスクもあります。

ドラマの中でも、白人で年若く見目が良い人物が容疑者で被害者がその反対似合った場合「どちらに陪審員が同情すると思うか」と容疑者弁護士が言うシーンがあります。

司法取引はパーフェクトとは言い難いけれど、容疑者本人が、犯した罪や予想される求刑、陪審員の心象や判決のリスクを考えて罪状認否するわけであり、その条件はドラマの中では事件捜査に携わった警官や有能な検事が決めているわけですから、ありなのではないかと思わされるようになりました。

変わらない脇役たち

主役や捜査方針は大きく変われど、その舞台と登場人物に大きな変更はありません。

重大犯罪課の刑事たちも、視聴者である私同様にその捜査方針の転換に大きく戸惑いますが、それでも次第に有能で素晴らしい上司であるシャロンについていくようになります。

プロベンザとフリン、タオにサンチェスのおっさん刑事と、バズとエイミーと。とにかく、相変わらずのメンバーが、それぞれに新たな一歩を踏み出しています。

そしてブレンダの宿敵フィリップ・ストローも相変わらず登場し、証人であったラスティを脅かします。このラスティが Major Crimesでは大きな役割を果たしていきます。シャロンとラスティの会話が本当に好き。

このドラマに似ている!ココがおすすめ!

このドラマのココがオススメ!

同じ舞台と登場人物のなかで主役だけが大きく変わる、という珍しいスピンオフ。

登場人物の年齢層も高く、健康や老後の話題もしばしば飛び交う異色の刑事ドラマですが、これが面白いんです。ベテランの円熟味というか、酸いも甘いも噛み分けた大人たちの捜査ドラマ。けれど、それぞれに熱い思いを抱えて捜査してるんですよ。そこがぐっとくる。

The Closerで7シーズン、そしてMajor Crimesで5シーズン、合計12シーズンも追いかけられる楽しみと面白さが必ずあります。

派手な面白さはないですが、地に足の着いた、大人の刑事ドラマ。とてもおすすめです。

このドラマとちょっと似ているおすすめドラマ!

  • The Closer:上記の通り、本作のスピンオフの元となるドラマ。舞台はもちろん登場人物もほぼ同じ。こちらから観ると、より面白く感じられるはずです。
  • The Good Wife:地に足の着いた大人のドラマといえば、元専業主婦の中年女性かつ新米弁護士が主人公のこちらもおすすめです。
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