海外ドラマ

[完結]Person of Interest:荒唐無稽な気もするけれどあり得なくもない絶妙な設定と、もの凄く魅力的な登場人物たちが織りなす、最高のクライム・サスペンス。

海外ドラマ好きのNOJOMINが、完結済で視聴を終えたドラマの中でも、印象に残っているものやオススメの作品について書かせていただきたいと思います。

なるべくネタバレしないように気をつけていますが、「観るまでストーリーは一切知りたくない」方はご覧になりませんようお願いします。

現時点で私史上最高の海外ドラマ

周囲に「海外ドラマ好き」と明言しているだけあり、同じく海外ドラマ好きの方と色々お話することも多いです。

これまでの視聴作品を披露し合うこともあれば、「おすすめドラマ」を訊かれることも。

基本的には、その人のこれまで観てきたドラマや好みの傾向から幾つかの作品をお薦めすることがほとんどですが、もしその方がどちらかと言うと大人っぽい展開のドラマを好む場合には絶対オススメするのが、このドラマ。

5シーズン全103話にて完結した、私史上最高の海外ドラマ「Person of Interest」の魅力を皆様にご紹介したいと思います。

オープニングが痺れる

You are being watched. The government has a secret system, a machine that spies on you every hour of every day. I know because I built it. I designed the machine to detect acts of terror but it sees everything. Violent crimes involving ordinary people, people like you. Crimes the government considered “irrelevant.” They wouldn’t act, so I decided I would. But I needed a partner, someone with the skills to intervene. Hunted by the authorities, we work in secret. You’ll never find us, but victim or perpetrator, if your number’s up… we’ll find *you*.

ハロルドのこのセリフで、毎回ストーリーがが始まります。

背景画像や音声は少々変われども、毎回全く同じ同じこのセリフに、このドラマのエッセンスが込められていると言っても過言ではありません。

ドラマのあらすじ

舞台は現代アメリカ。

“全てを監視するシステム”から突然告げられる9桁の数字をもとに、これから起きる事件を未然に防ごうと奮闘することから始まる長いお話。

主要な登場人物は2人。

一人は、ジョン・リース。浮浪者なのに凄腕。地下鉄でギャングの若者に絡まれても、一瞬でのしてしまう。しかし、暴力行為で警察に逮捕される。

もう一人はハロルド・フィンチ。謎めいたお金持ち。警察に捕まったジョンを釈放させる力がある。ジョンを雇う。

ちなみに、二人とも公式には経歴不詳。それぞれの過去には何があったのか。

全てを監視するシステム

ハロルドが“マシン”と呼ぶ謎のシステムは、監視カメラ・通話・メール・電子送金などのありとあらゆるものを監視し、犯罪の可能性の推定・検知を行う。

検知された違法行為の前触れがマシンの持ち主にとって重要なものであった場合、それは持ち主に通知され、防止策が取られる。けれど市井の人々が関連する些細なトラブル、つまりマシンが“無用”とした事件に関する情報は、特に対策が取られることなく、黙殺されてしまうのです。

このことに疑問を持つハロルドは、秘密裏にマシンにバックドアを作り、“無用”とされた情報に関わる人物の社会保障番号を受け取ることにします。

加害者か被害者なのかもわからないまま、事件の渦中に飛び込む

その人物は、犯罪の加害者なのかそれとも被害者なのか、それすらもわからず、どんな情報からその社会保障番号を推定したのかも分からない。知らされるのは、ただの9桁の数字のみ。

その数字をもとに、事件の発生を未然に防止するために、ハロルドは情報を整理し、ジョンが奔走する。

事件を未然に防ぐ事に奔走するうちに

様々な事件に関わることになる二人は、徐々に裏社会や捜査機関に認知されるようになり、少ないながらも協力者を得るも、その動きは徐々に本来のマシンの持ち主の知るところになります。

また、犯罪に関する極秘なはずの様々な情報を知る立場にあることから、その情報源を狙われるようになります。

最初はたった9桁の番号を元に奔走するだけだった2人は、様々な犯罪や事件に関係するようになり、様々な情報機関や政府機関に認識され、そしてマシンをめぐる思惑に巻き込まれていきます。

マシンの力を得ることで自らが強大なパワーを得ようとするものや、より大きな力を持ちマシンの上位版を構築しようとするもの、二人に9桁の数字を知らせるマシンを危険視し排除しようとするものまで出てきます。

二人はどんな人生を送って巡り合い、マシンとともにどこへ行くのか。

このドラマの魅力

設定の素晴らしさ

それにしても”全てを監視するマシン”という設定が素晴らしいよね。荒唐無稽な気もするけど、あり得なくない微妙な現実感。

そしてそのマシンが”無用”とした数字だけを頼りにそれが、加害者なのか被害者なのか分からないまま事件を未然を防ごうと奮闘するだなんて、もうこれは完全なる設定の勝利でしょ。

登場人物のかっこよさ

登場人物がみんな大人でかっこいい。

っていうか、最初は髭を剃ればイケメンそうだけどボロを纏った浮浪者のおっさんと、お金持ちそうだけどちんちくりんのおっさん二人ですよ。

正直、この主人公の魅力という点では最低ポイントからの出発には不安しか感じませんでした。その上、その次が小汚い汚職刑事だし。

ところが、みんな若々しく魅力的な外見ではないんですが、それぞれが良い意味でも悪い意味でも大人で、自分の信念があり、それに従ったり、それを曲げたりしながら、二人に巻き込まれて解決に力を貸すようになっていくのです。

渋くてかっこいいんですよ。

技術の進化をめぐる永久普遍のテーマ

マシンが設計された時、それは全人類に安心と安全をもたらす素晴らしいシステムの誕生だと考えられたはず。

けれどそれは、持ち主に未だ嘗てない神のような強大なパワーをもたらすものになりました。

それは当初の思惑のとおり、人類のためのものになるのか、それとも…

私たちの想像を超えて発展する技術が実現するものが何を成し得るのかは、その技術そのものではなく、その技術を握りる人物の手に委ねられてしまう、というのは古今東西常語られる永遠のテーマですね。

緩急つけたストーリー展開

テーマは重めではありますが、クスッとくるエピソードが挟まれていたり、事件解決ものでありつつも、登場人物たちの謎めいた過去が深掘りされていたり、緩急つけながら徐々に加速つけていくストーリー。ぐんぐん引き込まれていきます。

残酷で切ない展開もあったけど、どれも必然性があり、悲しいけれど受け入れざるを得ない、納得感とかすかに期待を抱かせるエンディング。決して予定調和的なハッピーエンドではない作品です。

けれどそれがリアルでいいんだと感じています。

とにかく終わり方まで大好きなドラマでした。全てを知ったまま、もう一度最初から観たい。
とてもお薦めなんですよ。

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