
海外ドラマ好きのNOJOMINが絶賛視聴中のドラマについて、ご紹介します。
この記事を読んでくださった方にもぜひ興味を持っていただき、あわよくば観てほしい!という思いを込めて記事を書いています。
なるべくネタバレしないように気をつけて紹介していますが、「観るまでストーリーは一切知りたくない」方はご覧になりませんようお願いします。
Contents
イマイチ嵌まれなかったこのドラマにとうとう嵌る瞬間がやってきた
ションダ・ライムズ作品かつ、パパ・ブッシュ大統領時代の補佐官を務めた実在人物が主人公のモデルのドラマ、ってことで、大いなる期待を抱いていたこのドラマ。
面白くないことはないのですが、正直主人公に好感も共感も抱くことが出来ずに常にリタイア寸前ラインギリギリでした。
それでも「ションダ・ライムズだからきっといつか面白くなるはず」という期待だけで、なんとかシーズン5まで来ました。が、このシーズンは違った!
ワタシ的にはかなり好感度大のシーズンとなりました。こりゃ絶対次シーズンを観なくっちゃ。
SCANDALのあらすじ
主人公は敏腕女性フィクサー
主人公のオリビア・ポープは、ホワイトハウスの元広報部長で、敏腕フィクサーとして活躍する美女。
著名人や政治家のあれやこれやといったやばい秘密を暴露から守ったり、暴露されたことによって起きた騒動をうまくまとめて状況を修復するのが、彼女とその事務所の人間のお仕事。敏腕として鳴らすだけのことはあり、依頼人を守るためなら文字どおりなんだってやるわけです。
恫喝・恐喝・賄賂に偽証、殺人教唆と、ギリギリセーフじゃなくてもうアウトなラインまで踏み込んじゃうわけですよ。そりゃ敏腕ですね。すごいわ。
そして彼女は現政権最大の公然の秘密
そんな彼女はホワイトハウスの元広報部長で、現政権の大統領の選挙参謀の一人でもあったため、大統領や政権の秘密アレコレを知る立場にあります。
そして、それだけじゃなく、現役バリバリの大統領の愛人なわけですよ。彼女自体が政権の重要秘密。
そんな彼女が、著名人や政治家といった依頼人のためにフィクサーとして活躍するのはもちろん、政権に生じた様々な問題に対処したり、そして大統領の愛人としてその問題の根本原因となっちゃったりするドラマです。そりゃもうドロドロですよ。
SCANDALに嵌れなかった理由それは
主人公がどうやっても好きになれないから
あらすじだけ言えばたいそう私好みで面白そうなのですが、それなのにいまいちこのドラマにハマりきれないのは、主人公に共感も好感も、そして尊敬も抱けないから。
だってさ、普段は秘密がバレそうになったりバレて大変なことになった依頼人に、「腹をくくりなさい」なんて発破を掛けながら事態を修復していくくせに、自分は政権最大のスキャンダルにもなりかねないほど大統領に影響を与えるポジションにある愛人なんですよ。この矛盾。でもそれ自体は面白い。
いけ好かないポイント1:愛人として腹を括れていない
そんな彼女が腹を括って愛人をしているのかというと、どうもそうは見えない。どっぷり彼女にハマっている大統領ことフィッツに対し、彼のことは好きだけどなんだか及び腰なオリビア。
それは、ファーストレディのメリーやその子どもたちに遠慮しているというよりは、敏腕フィクサーでワシントンにその名を轟かせる敏腕美女フィクサーのオリビア・ポープではなく、現大統領の愛人という、世界最高権力者の添え物として扱われることを、一人の優秀な女性として受け入れられないから。
まぁ、美しく有能なキャリアウーマンだとしても、相手は大統領。どんなに優秀でも敵いはしません。世界一の権力を握る男のオンナとして扱われることになってしまって、自分がなくなってしまうような気がするのは分かる。
いけ好かないポイント2:愛人の立場を最大限活用しちゃう
けれど、そこで共感できないのが、彼女が大統領の愛人であるという立場を、フィクサーとしてのお仕事でも最大限活用しちゃうところ。そこは線引しないといけないんじゃないの、っていうことがアリすぎて、正直好きになれない。
いけ好かないポイント3:自分の傷にはとことん弱い
その上、恫喝恐喝エゲツないことなんでもござれで人を踏みつけ傷つけても依頼人の利益のために行動するくせに、女性としての自分が傷つく場面になると、急にハの字の下がり眉にセクシーな唇とんがらかせて「ワタシかよわいの、傷ついちゃうの」って上目遣いするんですよ。ありえん。
そういうのは一人部屋でワインでも飲みつつするもんで、男の前でするのはアウトじゃないのかね。いや、それができるから大統領の愛人なのか。
そんな、有能フィクサーとしての顔と女性としての顔を、私からすると自分に都合よく使い分けちゃうオリビアはどうやっても好きになれないタイプ。
あと、怒りながら矢継ぎ早に言葉を吐き出すときに、歯がむき出しになるんですよね、オリビア演じるケリー・ワシントンが。そこがものすっごく残念ポイント。
一応ドラマ自体の擁護はしておく
ここまで悪口書いちゃいましたが、スキャンダルの裏事情やそこで暗躍するフィクサーの姿が描かれるこのドラマのストーリーはかなり面白いです。
フィッツとオリビアの、メロドラマ的恋愛事情はさておき。
そんな私が嵌る瞬間がやってきた
現政権最大の公然の秘密がとうとう露見
ところが、とうとう今シーズンでは、本ドラマ最大かつ公然の秘密である、オリビアが大統領の愛人であることが世間に明らかになっています。なんと、オリビア本人が愛人であることを認めてしまうという衝撃。
もちろん世間は大騒ぎ。ワイドショーはもちろんニュースも連日この話題でもちきり。仕事の依頼もなくなるし、彼女の扱いだって変わります。
優秀な女性のお手本、敏腕女性フィクサーとして崇められていたところからの急転直下。大統領の「愛人」として糾弾され蔑まれる始末。
けれどフィッツへの愛を取ったオリビア。
この状況を打開するために出演したテレビ番組での質問への答えは、正直グッと来た。彼女の人格と、愛すべきではない人を愛してしまった葛藤が赤裸々に語られ、一気に世間は同情ムード。
ファーストレディーであるメリーも、上院議員となり将来の夢である大統領への道の取っ掛かりを掴んだことから、離婚を受け入れます。フィッツとオリビアの間に横たわる問題は全て周知の事実となり、二人の関係性に問題がなくなったようになってからが…ね。予想のとおりですよ。
大統領の公認の恋人の座の座り心地は果たして
オリビア・ポープではなく、大統領の恋人(離婚により、愛人から恋人に昇格)として扱われることに、戸惑いと不安とフラストレーションが募ります。
大統領の公認の恋人になったことにより、彼女の行動すべてに制約がかかります。
彼女に持ち込まれる依頼は、大統領とのお茶会で出たクッキーのレシピを手に入れること。
全てが、彼女ではなくフィッツを中心に回る生活。オリビアのためにフィッツがいるのではなく、フィッツのためにオリビアがいる生活。そんな生活に彼女が耐えられまいよ。
というわけで、予想通りの結末に。
新生オリビアの反撃開始
そこからが面白い。破局してホワイトハウスを去った彼女は、次期大統領戦の選挙参謀になるんです。それも、あのフィッツの元妻であるメリーの。
彼女はキングメーカー(今回はクイーンメーカー)を目指すわけです。フィッツの時はサイモンの下というポジションでしたが、今回は純然たるキングメーカー。
「大統領の恋人」からの脱皮、そして自分を取り戻すために、メリーの選挙戦に全力投球していくオリビア。そこには、最大の権力者である大統領の権力と威光にすがることなく、自分の力のみでこの闘いに挑んでいく姿が描かれます。
最高!
全てがこの展開までの序章だったと考えることにして、この新生オリビアにどっぷりハマった今シーズン。フィクサー兼キングメーカーとして彼女が活躍する姿を手に汗握りながら見守りましたとも。
それ以外の今シーズンの見どころ
サイモンが恐ろしい
サイモンことサイが恐ろしさが爆発した今シーズン。
現大統領をホワイトハウスに送り込んだ立役者、キングメーカーであるにも関わらず、寵愛はもちろん相談役としてのポジションを奪われ、ホワイトハウスを追い出されたサイモン。
全てを捧げ、魂を悪魔に売ってまで尽くしたにも関わらず彼を捨てたフィッツと、その心の移った先であるオリビアへの恨みをはらし、次こそキングメーカーとしてホワイトハウスに君臨するために、これぞと見込んだ候補者に立候補を決意するためにテロまがいの事件まで起こさせる始末。
分かってはいたけど、サイって本当に恐ろしい。自分の野望を邪魔するものは、どんな手を使ってでも排除するタイプだとは分かっていたけど、ここまでとは。シーズンエンド、副大統領候補が決まる瞬間はゾッとして鳥肌が立ちましたよ。本当に恐ろしい。
パパ・ポープが恐ろしい
これまでB613の元司令官として、その恐ろしさと影響力をいかんなく発揮してきたパパことイーライ・ポープ、ことローワン。
今回の選挙戦でも、裏で暗躍。ジェイクを使ってオリビアに揺さぶりをかけるわ、サイを脅しにかかるは、八面六臂の大活躍。
けれど、愛弟子ジェイクと愛娘オリビアは手を結びなんとかローワンの企みを阻止したかと思いきや、それすら彼の思惑通りだったかもしれない展開に、背筋が凍りましたよ。
次シーズンが待ち遠しい
シーズンエンドでは、両党の大統領・副大統領候補が出揃いました。
というわけで、次シーズンは大統領選の選挙戦が繰り広げられるのかしら。それとも、早々に大統領選は終えて、その後の政権のあれこれが描かれるのか。
今シーズンで、私にとっての“いけ好かない女”ポジションから見事に脱皮し、まさしくグラディエーターとして立ち上がった新生オリビアの今後の展開が、楽しみすぎて堪りません。